NAW / AGENTS 02
IMAGE: AI生成ビジュアル
AGENTS / Agent SDK
GoogleのADK Python v2.9.0 — モデル自動フェイルオーバーとLiveKit音声ランナー、MCP SDK 2.x対応
Googleのエージェント開発キットADK Pythonが2026年9月10日にv2.9.0を公開した。プライマリモデルの障害時に待機モデルへ自動切替するFallbackModel、音声・電話エージェント向けLiveKitランナー、宣言的YAMLからのADK 2.0グラフ読込、MCP SDK 2.x互換が柱。破壊的変更も3件含む。
Googleのエージェント開発キット ADK Python が2026年9月10日(UTC)、v2.9.0 を公開した(v2.8.0からの差分)。今回の主題はエージェントの耐障害性(resilience)とエコシステム統合で、モデルの自動フェイルオーバー、音声対応、宣言的ワークフロー、MCP SDK 2.x互換が柱だ。一方で挙動が変わる破壊的変更も含まれている。以下は一次情報であるGitHubリリースノートの記載範囲で整理する。
ハイライト — 耐障害性とエコシステム統合の4点
- 自動モデルフェイルオーバー: 新しいFallbackModelにより、プライマリモデルでエラーが発生した際に待機モデルへ自動的に切り替わり、エージェントの稼働を守る。
- LiveKitランナー: 音声・電話エージェントを構築するためのLiveKitランナーが新たに追加された。リッチな音声・テレフォニー系エージェントが対象。
- YAMLからのグラフ読込: ADK 2.0のグラフワークフローを宣言的なYAML設定から直接作成・読込できるようになり、グラフ管理が簡素化された。
- MCP SDK 2.x互換: MCP SDK 2.x系サーバーに1.xと並行して対応した。インストール時の解決は引き続き既定で1.xとなり、2.xは意図的に導入した場合のみ有効になる。
破壊的変更 — 更新前に確認したい3件+条件付き2件
- 失敗ノードの再実行: ワークフロー再開時、失敗したノードは「完了済みとして再生」ではなく再実行されるようになった。外部に副作用を持つノード本体は冪等にすること。再開のたびに副作用が再実行される点に注意が必要だ。
- GCSツールのローカルパス制限: GCSツールは
local_file_rootで指定されたディレクトリ配下のローカルファイルのみ読み書きし、同設定が無い場合はローカルファイルアクセス自体を拒否する。パスは絶対・相対のいずれも解決後の位置で判定される。 - 未知セッションへの追加は例外:
InMemorySessionServiceは、保持していないセッションへのイベント追加時に従来の黙殺ではなくSessionNotFoundErrorを送出する。データベース系サービスは従来から同挙動のため、影響はインメモリ利用に限られる。 - 条件付きの2件: ネストしたワークフローのリトライ挙動変更は
retry_config設定済みノードのみ、MCP 2.xのフィールド扱い変更は2.xを明示導入した場合のみに影響し、既定の導入には影響しないとされている。
その他の追加機能
- エージェント間連携:
transfer_to_agentにtransfer_reasonを追加してループを防止、a2a状態転送のサンプルを追加。 - ストレージと検索: GcsArtifactServiceに署名付き・認証付きURL取得を追加、BigQueryツールでハイフン付き列名に対応。
- 評価と運用: ツール軌跡評価に
ignore_argsオプションを追加、全テスト通過時に詳細結果を表示。Dockerビルド・実行のマルチクラウド汎化も含む。
v2.7.0で入ったモデル能力の自己宣言やツールのメディア返却に続く更新であり、破壊的変更を含むため、更新時はリリースノートのBreaking changes節と利用形態の突合せを推奨する。