計算ノードの中心に浮かぶ青い推論コアの抽象ビジュアル
NAW / MODELS 01

IMAGE: AI生成ビジュアル

MODELS / Models

AllSpark、オープンウェイトの検索エージェントIris-mini/Iris-proを公開 — Qwen系MoEを探索学習で調整、同規模の公開勢で最高と主張

AllSpark-Researchは9月初旬、Qwen系モデルを起点とする検索エージェントIris-mini(35B)とIris-pro(397B)の重みをApache-2.0で公開した。SFTと実検索RLを交互に行う「SFT-RL climbing」で学習し、BrowseCompやHLEで同規模の公開検索エージェントを上回るとしている。データ構築・学習パイプラインの公開は今後とされている。

AllSpark-Researchは2026年9月初旬、オープンウェイトの検索エージェント「Iris-mini」と「Iris-pro」を公開した。重みはHugging Faceで取得でき、評価ハーネスと技術レポート(arXiv:2609.04304、9月3日付)も併せて示されている。以下はGitHubリポジトリ、Hugging Face、論文アブストラクトの記載内容の整理であり、性能の優劣は公開元の報告に基づく主張である点に注意が必要だ。

公開内容 — 2モデルの重み、ハーネス、技術レポート

  • Iris-mini: 総パラメータ35B(Active 3B)、起点はQwen3.6-35B-A3B、コンテキスト長256Kと記載。Hugging Faceで非ゲート公開、ライセンスはApache-2.0。
  • Iris-pro: 総パラメータ397B(Active 17B)、起点はQwen3.5-397B-A17B、コンテキスト長256Kと記載。同様にHugging Faceで非ゲート公開、ライセンスはApache-2.0。
  • Iris-Harness: エージェントのループ、2つのツール、コンテキスト管理手法、4種のベンチマークとグレーダーを同梱し、OpenAI互換エンドポイントに対して実行できるとしている。
  • 技術レポート: 論文「Iris: Climbing to the Search Frontier」(arXiv:2609.04304、著者はLiu Ziyuanら、日付は2026年9月3日)で、データ構築から学習・評価までの手法を説明している。
  • 未公開部分: リポジトリには「データ構築と学習パイプラインは近日公開(coming soon)」と明記されており、訓練レシピの完全な再現素材がそろっているわけではない。

学習手法 — 実検索に対するRLとSFTの交互最適化

  • タスクの作り方: Webコーパスのハイパーリンク構造から逆向きにマルチホップの設問を構成する。文字列一致では解けないよう、答え以外の実体を記述的な参照に書き換え、参照モデルが暗記では解けず証拠付きでは解ける設問だけを採用したとしている。
  • SFT-RL climbing: 教師あり微調整(SFT)と実検索に対する強化学習(RL)を交互に行い、各RLラウンドで解けた難問と効率的なロールアウトを次のSFTに戻す手順としている。
  • 評価条件の固定: 推論時のコンテキスト管理がベンチマーク値に大きく効くため、ツールセット・コンテキスト制限・ジャッジを固定して有無両条件で測ったと説明している。
  • 単一エージェント: すべての結果はサブエージェントなし・テスト時検証なしの単一ReActエージェントによるものとしている。

評価 — 公開元の報告値と読みどき

  • Iris-mini(見出し条件・discard-all): BrowseComp 82.2、BrowseComp-ZH 84.8、DeepSearchQA 86.9、HLE 52.3と報告。DeepSearchQAはF1、その他は正答率、HLEはテキストのみのサブセットとしている。
  • Iris-pro(同条件): BrowseComp 88.6、BrowseComp-ZH 85.1、DeepSearchQA 92.9、HLE 56.4と報告。いずれも各パラメータ帯のオープンソース検索エージェントで最強と主張している。
  • 比較表(BrowseComp): リポジトリの性能比較チャートでは、30〜35B帯の公開勢(MiroThinker-1.7-mini、FORT-Searcher、Apodex-1.0-miniなど)との数値比較が示されている。

IrisのBrowseComp性能比較チャート(リポジトリ掲載)

出典: AllSpark-Research/Iris(GitHub)

  • 比較表(HLE): 同リポジトリにはHLEの比較チャートも掲載されている。

IrisのHLE性能比較チャート(リポジトリ掲載)

出典: AllSpark-Research/Iris(GitHub)

  • 読みどころ: ベースライン値は各公開レポート由来で条件がそろっていないこと、見出し値はdiscard-all設定でretry併用時はさらに上がること(例: miniのBrowseCompは併用で85.9)が併記されている。
  • 限界: 公開元の単独報告であり、独立した第三者による再現検証は確認できていない。公開元の組織は2026年9月に活動を始めた新しい組織で、実績の蓄積はこれからという段階にある。

出典